デザインが素人っぽく見えるのは、センスのせいではない

チラシをつくってみました。
メニュー表もつくってみました。
でも、なんとなく素人っぽく見える。

そう感じたとき、多くの人が「自分にはセンスがないから」で止まります。
けれど、素人っぽく見える原因は、だいたい決まった3つのどれかです。
どれも、その場で直せます。

センスの問題にすると、直せなくなる

「センスがない」は、原因のようでいて、実は何も指摘されていません。
指摘されていないので、明日から何をどうすればいいかも出てきません。

プロがやっていることの多くは、ひらめきではなく作業です。
揃える、減らす、差をつける。
この3つを順番にやっているだけ、という場面がかなりあります。

つくったものを一度見返して、次の3つを順に確かめてみてください。

揃っていないだけ(位置と余白)

いちばん多い原因です。
そして、いちばん効きます。

見出しは真ん中、本文は左、写真の説明はまた真ん中。
こうなっていると、目が行ったり来たりします。
読みにくさの正体は、内容ではなく、目の動きの多さです。

直し方は単純です。

  • 文字は原則すべて左端を揃える(中央揃えを使うのは、短い見出しだけ)
  • 紙の端から文字までの余白を、上下左右で同じにする
  • 関係のある要素どうしは近づけ、関係のないものは大きく離す

3つ目は見落とされがちです。
写真とその説明文が離れていて、隣の見出しにくっついている。
これだけで、どれがどれの説明なのか分からなくなります。

余白が足りないと感じたときは、文字を小さくするより先に、要素を減らせないか考えてみてください。
余白は余りではなく、「余白」というものの置き場所です。

種類が多すぎるだけ(フォントと色)

つくっている途中は、変化をつけたくなります。
ここは丸い書体、ここは明朝、見出しだけ赤、大事なところは黄色。
そうやって足していくと、どこが大事なのか分からなくなります。

目安として、この本数に収めてみてください。

  • 書体は2種類まで(見出し用と本文用。1種類でも成立します)
  • 色は3色まで(文字の色、背景の色、目立たせる色)
  • 目立たせる色は、全体の1割以下しか使わない

3つ目が肝心です。
目立たせる色は、面積が小さいから目立ちます。
赤を全体の半分に使うと、赤は目立つのをやめます。

色が決められないときは、扱う商品やお店の写真から1色抜き出して、それを目立たせる色にすると、まとまりやすくなります。

強弱がないだけ(全部同じ大きさ)

全部を伝えたいので、全部を同じくらいの大きさで書く。
気持ちは分かりますが、こうすると、どこから読めばいいのか分からなくなります。

見る人は、上から順には読みません。
大きいものから見て、面白そうなら次に進みます。
だから、いちばん大きい文字が、いちばん伝えたいことになっている必要があります。

確かめ方があります。
できたものを、少し離れたところに立てて見てください。
そこで読める文字が1つか2つなら、成功です。

全部読めてしまうなら、強弱がありません。
いちばん伝えたい1行を決めて、それを思い切って大きくします。
他は小さくします。

大きくするより、小さくするほうが早いことが多いです。全部が大きいと、大きくする余地がなくなるためです。

Canvaでこの3つだけ直す

いま手元にあるものを、次の順で直してみてください。
新しくつくり直す必要はありません。

  1. 文字をすべて左揃えにして、左端の位置をぴったり合わせる
  2. 使っている書体を2種類まで、色を3色までに減らす
  3. いちばん伝えたい1行を決めて大きくし、それ以外を小さくする

この3つは、30分あれば終わります。
やってみると、多くの場合、それだけで見られる形になります。

ただ、正直に書いておくと、これで解決しない場合もあります。
写真が暗い、素材の解像度が足りない、そもそも載せる情報が多すぎる。
このときは並べ方の問題ではないので、写真を撮り直すか、載せる内容を削るほうが早いです。

デザインは、才能の話にされがちです。
実際には、揃える、減らす、差をつける、というスキルを知っているか、知らないかで話をするとかなり解決できることが多い気がします。
「手順が違った」なら、「直す」作業をするだけなので今日から使えます。
スキルは使えば鍛えることができます。鍛え上げられたらそれは才能になります。

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