屋号を決めるときに、確かめること

事業を始めるとき、屋号を決める場面が来ます。
いい名前が思いついて、そのまま使いはじめてしまうことがあります。

名前は、あとから変えるのがいちばん面倒なものです。
看板、名刺、ホームページ、SNSのID、お客様の記憶。
全部を入れ替えることになります。

決める前に、5つだけ確かめておくと後が楽になります。

1つ目 読み方が一度で伝わるか

電話で名乗る場面を想像してみてください。
一度で聞き取ってもらえるか。
聞き返されたときに、説明が長くならないか。

読みにくい漢字、つづりが想像できない英語、似た音が続く名前は、そのたびに説明が必要になります。
1日1回なら小さなことですが、何年も続きます。

紹介してもらう場面でも差が出ます。
人に口で伝えられる名前は、そこから広がります。
伝えにくい名前は、紹介されても相手が検索できません。

2つ目 検索したときに、何が出てくるか

候補の名前で検索してみてください。
同じ名前のお店や会社が上に出てくる場合、その人たちを追い抜くのは簡単ではありません。

お客様が名前で検索したときに、自分のサイトが出てこない。
これは思っている以上に困ります。
紹介された人も、チラシを見た人も、まず名前で検索するからです。

一般的な言葉だけの名前も、同じ理由で埋もれます。
地名を足す、造語にする、2つの言葉を組み合わせる。
どれかで、かぶらない形にできます。

3つ目 ドメインが空いているか

ホームページの住所になる部分です。
お名前.comやムームードメインなどの検索窓に入れると、空いているかどうかがすぐ分かります。

取りたい形が埋まっている場合、記号を足したり数字を付けたりして回避することはできます。
ただ、そうすると読み方が伝わりにくくなり、1つ目の話に戻ります。
ドメインが空いている名前を選ぶほうが、結局は早く済みます。

すぐにホームページを作らない場合でも、決めた時点で取っておくことができます。
年に千円台から数千円で維持できます。

4つ目 SNSのIDが取れるか

InstagramとFacebookで、同じIDが取れるか確かめます。
使う予定のあるものだけで足ります。

ばらばらのIDになると、お客様が探せなくなります。
名刺やチラシに載せるときも、行数が増えます。
同じ文字列でそろえられる名前のほうが、あとあと楽です。

使う予定がなくても、先に取っておく手はあります。
あとから始めようとしたときに、他の人が使っていることがあるからです。

5つ目 商標が登録されていないか

同じ名前が、すでに商標として登録されていることがあります。
その場合、使い続けると指摘を受ける可能性があります。

調べる場所は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)です。
誰でも無料で検索できます。
候補の名前を入れて、同じ分野で登録がないか見ておきます。

判断が難しいと感じたら、弁理士に相談する方法があります。
自分で登録するかどうかは、事業が動き出してからで間に合います。
ここで確かめておきたいのは、他の人のものを使ってしまっていないか、という点だけです。

確かめる順番

  1. 声に出して読んでみる
  2. その名前で検索する
  3. ドメインの空きを見る
  4. SNSのIDの空きを見る
  5. J-PlatPatで調べる

全部合わせて30分ほどで終わります。
候補を3つくらい用意して、同じ手順にかけると選びやすくなります。

決まったあとにやっておくこと

名前が決まったら、その日のうちにドメインとSNSのIDを押さえます。
考えている途中で他の人に取られることがあります。

表記の形も、このときに決めてしまいます。
大文字にするか小文字にするか、間にスペースを入れるか、ローマ字と日本語のどちらを先に書くか。
決めておかないと、書くたびに形が変わります。

値段の決め方をまだ考えていない場合は、自分のサービスに、いくらつけるかもあわせてどうぞ。

最後に

いい名前かどうかは、使いはじめてから決まる部分もあります。
最初から完璧なものを探さなくてかまいません。

ただ、あとから直せないところだけは先に確かめておく。
上の5つは、そのための確認です。
30分で済むので、決める前に通してみてください。

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