自分のサービスに、いくらつけるか

見積もりを出すことになったとき、何をいくらにしたらいいのか困ったことはありませんか。
高く言って断られるのが怖い。
かといって安く言うと、あとが続かない気がする。
そのまま返事が遅れて、話が流れてしまう。

値段が決められないのは、性格の問題ではありません。
決め方を知らないだけです。

相場を見るだけでは、決まらない

最初に相場を調べる方は多いと思います。
それ自体は必要な作業です。
ただ、相場だけで決めると、値段の理由が自分の中に残りません。

「高くないですか」と聞かれたときに答えられないのは、だいたいこの状態です。
まず自分の側から計算して、そのあとで相場と見比べる。
この順番にすると、説明できる値段になります。

かかる時間から逆算する

手順にすると、次のようになります。

  1. 1か月に、この仕事へ使える時間を数える
  2. そのうち、実際に手を動かせる時間を出す
  3. 1か月に得たい金額を決める
  4. 得たい金額を、手を動かせる時間で割る
  5. 1件にかかる時間を掛ける

たとえば、1か月に使えるのが100時間だとします。
このうち打ち合わせ、見積もり、請求、やりとりに3割ほど取られるので、手を動かせるのは70時間ほどです。
得たい金額が月20万円なら、70時間で割って、1時間あたり約2,900円。
1件に20時間かかる仕事なら、6万円前後が計算上の値段になります。

数字はご自身のものに置き換えてください。
大事なのは金額そのものではなく、根拠のある値段の付け方を1つでもまず知ることです。

見落としやすい時間

計算が合わなくなる原因は、たいてい時間の見積もりにあります。
作業そのものだけを数えてしまうからです。

  • 初回の打ち合わせと、その準備
  • 材料をそろえる時間(写真、原稿、資料を待つ時間も含む)
  • 直しのやりとり
  • 納品後の説明や、使い方の案内
  • 見積書・請求書を作る時間

実際にやってみると、作業時間の1.5倍前後になることが多いです。
最初のうちは、自分が出した見積もり時間に1.5を掛けておくくらいでちょうどよくなります。

安くしすぎると、あとで動けなくなる

最初だから安くしておこう、という考え方はよく分かります。
ただ、安い値段には続きがあります。

  • 件数をこなさないと足りないので、1件にかけられる時間が減る
  • 時間が減ると質が下がり、次につながりにくくなる
  • 同じお客様に、あとから値上げを伝えにくい
  • 値段で選んだ相手は、もっと安いところが見つかれば移っていく

安くするなら、金額を下げるのではなく、渡すものを減らすほうが後が楽です。
ページ数を減らす、写真撮影を外す、修正の回数を決める。
同じ内容のまま金額だけ下げると、次から戻せなくなります。

受けない金額を先に決めておく

値段の幅を持つより、下の線を1本引いておくほうが迷いません。
これ以下では受けない、という金額です。

先に決めておくと、その場で考えずに断れます。
値引きを求められたときも、どこまで応じるかを迷わずに答えられます。
線を引いていないと、相手の言い値に引っぱられます。

値上げをするとき

値上げを考える目安は、次のようなときです。

  • 問い合わせが続いていて、断ることが出てきた
  • 同じ仕事を、前より短い時間でできるようになった
  • 渡すものが増えている(前はなかった作業が入っている)

上げるときは、新しく問い合わせてきた方から適用します。
すでに進んでいる案件の金額は動かしません。
続けて依頼してくださっている方には、次の依頼の前に伝えておきます。
請求書が届いてから気づく、という形にしないことが大事です。

最後に

値段は、一度決めたら終わりではありません。
やってみて、かかった時間を記録して、次に直す。
その繰り返しで合っていきます。

まずは1件ぶん、かかった時間をメモするところから始めてみてください。
3件も記録すれば、自分の値段が見えてきます。

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