AIに、どこまで話していいか

お客様から届いたメールに返事を書くとき、文面をAIに作ってもらう。
届いたメールをそのまま貼りつけて、「これに丁寧に返信して」と頼む。

よくある使い方です。早いし、文章も整います。

ただ、そのメールにはお客様の名前と連絡先が入っています。
貼りつけた時点で、その情報を別の会社のサービスへ渡したことになります。

入れないほうがいいもの

  • お客様の氏名、住所、電話番号、メールアドレス
  • 見積書や契約書の中身(相手の社名や金額が入っているもの)
  • 生徒さんや患者さんの記録
  • IDやパスワード、サーバーやメールの設定情報
  • カード番号や口座番号
  • 他社から「社外に出さないで」と言われた資料

4つ目は見落としやすいところです。
設定がうまくいかないときに、画面をそのまま貼って相談することがあります。
そこにパスワードが写っていることがあります。

入れてかまわないもの

  • 自分が書いた文章
  • 公開しているページの内容
  • 一般的な質問(言い回し、手順、調べ方)
  • 名前や社名を外した、状況の説明

4つ目が実際によく使う形です。
そのまま貼るのではなく、中身だけを自分の言葉で伝えます。

伏せてから渡す

メールの返信を作ってもらいたいときは、固有の情報を置き換えます。

「株式会社〇〇の田中様から、見積書の金額について質問が来ました」
これを、こう変えます。
「お客様から、見積書の金額について質問が来ました」

返ってきた文章の「お客様」を、あとから本当の名前に差し替えます。
ひと手間ですが、慣れると数秒です。

金額も、必要がなければ伏せます。
「3万円台の見積り」で足りる場面がほとんどです。

入力した内容がどう扱われるか

入力した内容が、そのサービスの学習に使われるかどうかは、サービスごとに違います。
同じサービスでも、無料と有料で違うことがあります。
設定で切り替えられるものもあります。

ここは「たぶん大丈夫」で済ませず、自分で確かめます。
見る場所は2つです。

  1. 設定の画面(「データ」「プライバシー」「学習」といった言葉のあたり)
  2. 利用規約とプライバシーポリシー

探す言葉は「学習」「トレーニング」「オプトアウト」「データの利用」あたりです。
ページ内を検索すれば見つかります。

規約は変わります。
一度見たから大丈夫、ではなく、使うサービスを変えたときには見直します。

お客様から預かったものは、別の扱いにする

自分の情報をどう扱うかは、自分で決められます。
お客様から預かったものは、そうではありません。

仕事で名簿や顧客の情報を預かる場合は、どこまで外部のサービスを使うかを決めておきます。
取引先から条件を示されることもあります。

判断に迷うときは、入れないほうを選びます。
入れずに済む形に変えられないか、先に考えます。
事業の内容によっては、専門家に確認しておくほうが安心できる場面もあります。

使い分けの目安

迷ったときは、こう考えると分かりやすくなります。

その内容を、知らない人が隣で見ていても平気か。
平気なら入れて問題ありません。
気になるなら、名前を外すか、入れずに書きます。

AIに任せる範囲そのものの決め方は、AIに任せていい仕事と、自分でやる仕事に書いています。

最後に

AIを使わないほうがいい、という話ではありません。
AIで入力をするものを選べば、ふつうに使えます。

今日のうちに、使っているサービスの設定画面を一度開いてみてください。
学習に関する項目がどうなっているかを見ておくだけで、使うときの迷いが減ります。

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